「ボッチプレイヤーの冒険 〜最強みたいだけど、意味無いよなぁ〜」
第138話
最終章 強さなんて意味ないよ編
<料理人とご対面>
イーノックカウにある都市国家イングウェンザーの大使館。
ロクシーさんに誘われた私はレストランとアンテナショップの改修メルヴァたちに任せて馬車に乗り、ここを訪れた。
「お待ちしておりました、アルフィン様、ロクシー様。どうぞ此方へ」
すると大使館に常駐するメイドたちに出迎えられて、厨房へと誘われる。
彼女たちが言うには、どうやらそこにはロクシーさんによって新しく開くレストランのために集めた料理人たちが私たちよりも先に到着して待っているそうなんだ。
私としては厨房では無く応接室かどこかの部屋で待たせればいいのになんて思ったんだけど、料理人たちにとって今日は顔合わせと言うより腕を見せるつもりで来ているみたいなので、一度会ってから着替えて厨房に行くよりこの方が早いと考えたみたいなのよ。
と言う訳で厨房へ通されるとそこには調理服を着た初めて見る顔が数人、頭を下げて私たちを出迎えたんだ。
「この方たちがロクシー様推薦の料理人たちですね」
「はい。まだ若い者が多いですが、いずれもこの町の有名店で働いている将来有望な者たちなのですよ」
言われて見ると確かに若い人が多いように見える。
と言っても別に10代と言うわけじゃないけどね。
流石に見習いレベルの者をロクシーさんが紹介するはずもなく、多分だけど色々な店で10年ほど修行した人を集めたんじゃないかなぁって顔ぶれがそこには並んでいた。
「名店で長年修行している者たちでもよかったのですが、ここでは今までとはまた違った料理を覚えなくてはならない事もあるでしょうし、それならばすでに自分の味が出来上がった者たちよりこの様な将来有望な料理人の方が新しい調理場や料理法になれるのも早いと思いまして。」
「そうですね。料理は国によって根本から違う場合もありますし、若い方のほうが柔軟に対応できそうですもの。ロクシー様の心遣い、感謝いたしますわ」
ベテランほど新しい環境になれるのは大変だと思うし、何より自分の腕に自信がある人ほど新しい事に挑戦しようとは中々しないものね。
これくらいの人たちの方が、珍しい料理法や新しい設備の使い方を抵抗無く覚えてくれると思うわ。
この後は料理人たちの自己紹介。
それぞれがどの店でどのような立場を任されてきたのかを話してくれたんだけど、私はイーノックカウの店の名前なんてまったくと言っていいほど知らないから、ニコニコしながら聞き流す。
多分凄い名前が並んでるんだろうけど、知らないのだから感心して見せるよりもその方がいいと思ったからね。
それが一通り終わると、彼らにはこの大使館の厨房の設備を見てもらうことにしたんだ。
何せ私たちはこの世界の厨房と言うものを知らないんですもの。
もし普通はないようなものがあったり、使い方が大きく違うものがあったりしたらいけないものね。
と言う訳で、彼らをこの大使館の料理人たちに預けて私とロクシー様はここを去ろうとしたんだけど、
「あの、アルフィン様。もし宜しければわたくしも見学させていただいても宜しいですか?」
なんとロクシーさんがこんな事を言い出したのよね。
「えっ? ええ、いいですけど、厨房ですから変わったものは無いと思いますよ」
「そうかもしれませんが、わたくし、厨房と言うものに入った事があまりございませんの。ですから少々興味がありまして」
ああなるほど、確かにロクシーさんのような立場の人は自分で料理なんてしないだろうし、それに興味があるからと言って入ろうとしても火を扱っていたり刃物があったりして危ないからと入れてもらえないかもしれないものね。
それだけに、これはいい機会だと思ったのかも知れないわ。
「そうでしたか。でしたら私もご一緒しますわ」
「ありがとうございます、アルフィン様」
と言う訳で、私とロクシーさんは料理人たちとともに調理場見学をする事になった。
まぁそうは言っても所詮は調理場ですもの、特に変わったものがあるわけでもないんだからすぐに終わるだろうなんて私は思ってたのよね。
ところが料理人たちに設備を説明しているうちに、大使館の厨房がこの国の基準で考えるとかなりおかしなものだった事が判明して行ったんだ。
「全てのシンクにコックを捻るだけで水が出てくる小さなたるが付いているのですが、もしかしてこれはマジックアイテムでは・・・」
「魔道コンロがこんなに!? それに子牛が丸ごと焼けるほど大きな魔道オーブンまで。まさかこれと同じものが、これから働くレストランにもあるというのか!?」
「このグリル用の鉄板、まさか場所ごとに温度が変えられる!? って事は複数の魔道具が使われてるって事なのか?」
どうやら普通の厨房ではこれだけの魔道具はそろってないみたいなのよね。
そりゃあ一つ一つ取れば名店と呼ばれるような店に行けばあってもおかしくはない程度の物なんだけど、料理人全員分の魔道具がそろっているとなると、それは流石にちょっと異常な事らしいのよね。
でもさぁ、これでも一応大使館なんだし、王族が出入りする場所の調理場なんだからこれくらいあってもそこまで驚くことじゃないんじゃないかなぁ? って私は思うんだ。
多分帝城の調理場に行けばこれくらいの設備はあると思うもの。
「あの、アルフィン様。あれは何でしょうか?」
私がそんな事を考えながら驚いている料理人を見ていると、ロクシーさんが何かに興味を惹かれたように私に尋ねてきたんだ。
だからその指し示す方に目を向けると、そこには観音開きの扉が付いた金属製の大きな箱が幾つか並んでいたのよね。
「ああ、あれは。そうね、見たもらった方が早いでしょう」
そう言うと、ロクシーさんを伴ってその箱の前へ。
するとその私たちの行動に興味を引かれたのか、大騒ぎしていた料理人たちも集まってきたんだ。
厳密に言うとこれと同じ物はレストランに入れる事はないんだけど、似たようなものがあるんだから見せておいた方がいいだろうと思った私は、料理人たちが集まるのを待ってその扉を開いた。
するとそこからは冷気が漏れ出し、それと同時に灯る魔法の光が箱の中を照らしてそこに整理されて入れられた食材たちを浮かび上がらせる。
そう、この金属の箱は大型の冷蔵庫なんだ。
「アルフィン様、これは?」
「ああ、ロクシー様は厨房に入られたことが無いのですからご存知ありませんよね。これは冷蔵庫と言って、食品を冷やして長持ちさせるマジックアイテムです。料理人の方々はご存知ですわよね」
私がそう声をかけると料理人たちは皆、首を縦に振る。
これは口だけの賢者がこの世界に齎したマジックアイテムの一つで、この魔道具がすでに広く普及している事を知っていた私は、その光景に満足げに微笑んだの。
と、ここまでで終わらせて置けばよかったのに、私はまた余計な事をしてしまう。
「あと、こちらの二つは少し特殊でして」
「まぁ、どのようなものなのですか?」
そう言うと私は一番淵に並べられた箱の扉に手をかけた。
すると中からは先ほどとは比べ物にならないほどの冷気が立ち込め、そして魔法の光によって凍りついた食材たちがその姿を現したんだ。
「これは更に中の温度を下げて、物を凍らせて保存する冷凍庫です。此方の箱は中の温度がマイナス60度で長期保存用。そしてとなりにある冷凍庫はマイナス20度で普段使う食材を入れておいたり、氷を作ったりするのに使われるんですよ」
「「「「えっつ!?」」」」
一斉に固まる料理人たち。
はて、何かおかしな事を言ったかしら?
そう思ってロクシーさんを見てみると、
「そうですか、便利なものなのですね」
私の説明を聞いてこんな事を言っている所を見ると、どうやら彼女は料理人たちのように驚いているわけではないみたい。
じゃあこれは料理人たち特有の驚きと言う事か。
でも何で? って思ったから聞いてみたところ、
「氷は普通マジックキャスターが作るもので、魔道具でそれ程の低温を作り出すものなど聞いたことがない」
だの、
「マイナス60度って、人を殺せるほどの温度じゃないですか! そんな強力な魔道具を食材保存に使うなんて!」
だのと、口々に驚きの声をあげたのよね。
それを聞いて、ロクシーさんも目を見開いて私の顔を見だした。
う〜ん、そう言えば確かにマイナス60度ならこの中に閉じ込めちゃえば人、殺せるよね。
まぁやってしまったものは仕方ない。
何よりこれと同じようなものを冷凍倉庫としてレストランにも設置するんだから、そういうものなんだよと納得してもらうしかないのよね。
と言う訳で、
「一瞬でその温度まで下げる攻撃魔法と違って、これは時間をかけてその温度まで下げる魔道具ですからそれ程大げさなものではないですよ。そもそも入れたらすぐに凍りつくような魔道具だったら、危なくて取り出せないでしょう。ほらこの通り、物を取り出しても私の手は凍ったりしないでしょ?」
そう言って実際に物を取り出して見せて、料理人たちを無理やり納得させた。
しかしそっか、似たようなものがあっても全部がこの世界にあるわけじゃないのね。
これからはちゃんと注意しておかないと。
この後、もう少しだけ調理場の中を見て周り、社会見学は終了。
料理人たちを大使館の子たちに預けて、私とロクシーさんは応接室に移動した。
と言うのも、実を言うとあるものを試して欲しかったからなんだ。
「ロクシー様、折角来ていただいたことですし、一度召し上がっていただきたいものがあるのですが」
「わたくしにですか?」
先日の話し合いでエルシモさんたちにレストランの門番として働いてもらう事になったんだけど、その話の最中に私はある事を思い出したんだ。
それは彼との話し合いの時に出した、ある物の事。
冒険者として働いていたエルシモさんも知らなかったのだから、もしかするとロクシーさんも知らないかもしれないもの、もしそうならレストランや喫茶室の目玉に使えるかもって思った私は、それをロクシーさんに出してみようって思ったんだ。
「ええ。とは言っても特に変わったものではないんですよ。パンの一種ですから」
「パン、ですか?」
そう私がロクシーさんに出すのは別にこの世界に無いような、特別な食べ物ではない。
どこにでもある、でも少しだけ作り方が特殊なだけの、ただのパンだ。
「ええ。ですがこの国では見かけた事のないパンですから、気に入って頂けたらと思いまして」
私はそう言うと、いつもと違って扉前に控えているギャリソンに合図を送る。
彼には調理場見学の前に、用意してもらえるよう頼んでおいたのよね。
そしてその合図を見たギャリソンは一礼すると一度退室し、そしてワゴンを押しながら再度入室してきた。
そしてワゴンに乗っていたのは二種類のパン。
一つは三日月の形をしたもので、もう一つは長方形をした少し大きめなもの。
ギャリソンはまずその内の一つ、三日月形の方を皿にとって私とロクシーさんの前に差し出した。
「これはパイですか? いや、それにしては少し形が」
「このパンは私たちの国ではクロワッサンと呼ばれているパンです。小麦粉の生地にバターを挟み、それを薄く延ばしては折りたたみ、それを何度も繰り返したものを一つ分に切り分けて、巻いた物を焼き上げた薫り高いパンですわ」
私はそう言うと、クロワッサンを半分に割って見せる。
すると部屋中にバターのいい香りが立ち込め、鼻腔をくすぐった。
「パンにバターを、ですか? それはまた贅沢な」
するとロクシーさんは驚いたような顔をしてからクロワッサンの端を一口分だけちぎって口に運ぶ。
そしてぱぁっと花が咲いたかのような笑顔を浮かべると、何度もクロワッサンを口に運んであっと言う間に完食してしまった。
このクロワッサン、香りをたたせる為に結構大きめに作ってあるんだけどなぁ、なんて思いながらその光景を見ていた私は、ふとある事が気になった。
「ロクシー様? 先ほどパンにバターを使っていると話した時に、それはまた贅沢なと仰られてましたよね? でもパイにもバターを使われますでしょう? ならばパンに使われていてもそれ程驚かれる事ではないと思うのですが」
そう、作り方こそ練りこむのと挟んで何度も伸ばすっていう違いはあるけど、普通パイ生地にもバターは使うのよね。
ならこのクロワッサンにバターを使っていると聞いても、別にそれ程贅沢と感じるなんて事はないと思うんだけど。
私はそう考えて質問したんだけど、ロクシーさんからは驚くような答えが帰って来たんだ。
「まぁ、都市国家イングウェンザーではパイにまでバターを使われるのですか? 我が国では植物油は使用しますが、バターのように高価なものを使用する事はありませんわよ」
ロクシーさんが言うにはバターは作るのに物凄く手間がかかるから、普通はそんな贅沢な使い方はしないんだって。
そう言えば遠心分離機がないこの世界でバターを作ろうと思ったら、わざわざ牛乳や生クリームを容器に入れて長時間振り続けないといけないんだっけ。
なら確かに、こんな贅沢な作り方はできないね。
まぁ、うちの場合は多分魔法で作るかゴーレムがその作業をしているのだろうって思ってたから、気にもした事も無かったわ。
でもなるほど、それならこれを食べたエルシモさんが驚くわけだ。
「そうですか。これが気に入っていただけたら新しく作るレストランにお出しできると思ったのですが」
「そうですね。もし出すことができれば皆様に喜んではいただけるでしょうけど、これだけの香りがする程多くのバターを使用されるとなると、かなりの値段を取らなければならなくなるでしょうね」
そっか、じゃあ貴族相手ならともかく、気軽に出す訳には行かないか。
正直期待が大きかっただけに、ちょっと意気消沈。
でもまだ大丈夫、私にはもう一つのパンがある。
と言う訳でギャリソンにもう一つのパンを、イギリス食パンを出してもらうことにした。
優雅な手つきで特殊な形のパン切り包丁を使って、食パンをカットして行くギャリソン。
彼はそれを皿の上に乗せ、赤いジャムの入った器と供に私とロクシーさんの前へ置いた。
「まぁこれは変わった形のパンですわね。それにかすかな香りが。此方にもバターを使用なされているのですか?」
「はい。こちらは食パンと呼ばれているもので、ご指摘のようにバターを使用しております。ですが、それは取り出しやすいよう焼き型に塗ってあるだけですから、それ程多くは使用して居りませんわ。まずはそのまま、そして二口目からはお好みでジャムを塗ってお召し上がりください」
ロクシーさんはパンを手に取ると、
「まぁ」
と小さく声を洩らす。
と言うのもこの食パンはとてもやわらかく、普通のパンのつもりで持ったからかその形を大きく変えてしまったからなのよね。
それだけにロクシーさんは一度皿に戻し、その上で食パンを一口大にちぎった後、ゆっくりと口に運んだ。
「これは、とてもやわらかいですわね。それにこの真っ白な断面。此方はやはりボウドアで作られたと言う小麦粉を使用しているのですか?」
「はい。先ほどのクロワッサンもそうですが、このパンの使用した小麦粉はボウドアで生産されたものです」
ボウドアで作っているこの小麦粉はこの世界のものでは無く、イングウェンザー城にある品種の種をボウドアに撒いて作ったものだからかなり美味しいのよね。
まぁ、その小麦に関しては商業ギルドで扱う事になってしまったからアンテナショップで売ることはできないけど、それで作ったパンなら出してもいいよね? って思って、今日ロクシーさんに食べてもらったってわけなのよ。
「やはりそうでしたか。しかし、それだけではこのやわらかさは説明できません。まだ他にも秘密がおありなのでは?」
「秘密ですか? いえ、特にないと思うのですが」
ロクシーさんからそう問われて私はちょっと驚いてしまった。
だってこのパン、別に変わった作り方はしてないはずなんですもの。
この世界のパンは形こそ丸パンやロールパンの様な形状のものばかりで食パンは珍しいかも知れないけど、ちゃんとワイン酵母を使って発酵おさせてるからやわらかいのよね。
確かにパン用のイースト菌を使用しているという点では違うかも知れないけど、その程度の違いでこんな反応されるとは思わなかったんだ。
「宜しいでしょうか?」
このように私が困惑していると、そこにギャリソンが口を挟んできた。
と言う事はこの世界とこの食パンの違いを説明してくれるって事よね? ならいつものように任せましょう! 彼ならば万事解決してくれるはずだもの。
「何かしら、ギャリソン」
「アルフィン様、まずこの国で流通している小麦粉よりもボウドアで栽培されている小麦粉の方が保水率が高い事が解っております。これがロクシー様がやわらかいと感じた一因だと思われます」
「まあ」
ある程度予想は付いていたけど、やっぱり品種か。
でもそれをまずと言ってあげた所を見ると、もっと別の理由があるって事よね? それはなんだろうって思って聞いたら。
「しかし、それよりも大きな違いがございます。アルフィン様、バハルス帝国のパンには脂質がほとんど含まれて居りません。この国のパンは強力粉と砂糖、そして塩を混ぜたものに水とワイン酵母を加えたもので作られているのです。これでは固いパンが出来上がってしまうのは仕方がないことかと」
「そうなの? ではうちのパンは何か入ってるって事よね」
「はい。イングウェンザーの厨房ではパン生地に牛乳を混ぜ、そして少量のバターを練りこむことによって脂質を補っております。この脂質と小麦の保湿作用により、この柔らかな口当たりを実現してるのです」
・・・バター、生地にも練りこんでるのか。
まぁ、それなら美味しいのも頷けるってもんよね。
そしてそれを聞いたロクシーさんはと言うと、
「そうなのですか。ならばボウドアで作られている小麦粉と牛乳を使えばこのパンに近いものが作れるのですね?」
とギャリソンに詰め寄っている。
ああ、ボウドアの小麦はこれから商業ギルドで扱うんだから手に入るのか。
だったらこの反応も解るわ。
興奮気味のロクシー様を横目で見ながら、私はそんな事を考えてたんだ。
それから半月の時が過ぎた。
明日はレストランとアンテナショップのお披露目の日と言う事で、私はイーノックカウの大使館に訪れ、自室で寛いでいたのよ。
そんな時。
コンコンコンコン。
部屋に響くノックの音。
こんな時間になんだろうとは思ったけど、ここは大使館の中だ。
不審者がいるはずもないので、
「どうぞ、開いてるわよ」
そう言って入室を許可すると、そこに立っていたのはギャリソンだった。
なんだろう? なんかいつもと違う。
私の後ろでいつも控えてくれている彼とは、なんとなく雰囲気が違ったのよね。
だから私は居住まいを正して、ギャリソンの次の言葉を待ったんだ。
多分、あまりいい知らせではないだろうからね。
そんな私の聞く体勢が整ったのを確認してから、やっとギャリソンはその重い口を開く。
「アルフィン様。帝都に遣わしている者より連絡がありました。帝国と王国の戦争が終結したようでございます」
「えっ?」
ちょっと待って! それってちょっと早すぎない?
あとがきのような、言い訳のようなもの
ネットでレシピ検索すると色々な材料を使うみたいに出てくるけど、パンって強力粉と砂糖と塩、そしてドライイーストがあれば作れるんですよね。
その中でもバターは現代と違ってかなりの労力を使わないと作れないものだから、塗って食べるならともかく王侯貴族が食べるパンだとしても原材料に使われる事はないと思うんですよ。
それだけにバターをふんだんに使ったクロワッサンは衝撃を与えると思います。
あと、パンの内容だけで驚きすぎたおかげで出してませんが、エルシモがらみで思い出したんだからロクシーの反応次第ではもしかすると29話で出てきた物凄く手間のかかっているスフレオムレツサンドを出していた可能があるんですよね。
もし出していたらきっと、初めて食べたロクシーは本当に驚いたと思いますよ。
何せ今までアルフィンに出された数々の料理と違って、素材は普通なのに料理人の技量によって最上級の美味として作り出されたものを食べさせられる事になるのですから。
もしこれを出されていたらロクシーはきっとこう思ったことでしょう。
都市国家イングウェンザー、恐るべしと。
まぁ、このエピソードまで入れたら今回、1万文字くらい行きそうだったので断念しましたがw